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  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
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 ミャンマー起業家列伝


 農家のためのマーケットを作りたい。

 ミャンマーは国民の約6割が農業に従事しているとされる農業国だ。アウンサンスーチー国家顧問 率いる新政権も、農村振興を最重要課題のひとつとして掲げる。
三井物産や丸紅など日本の総合商社もコメや肥料のビジネスに進出するなど注目分野のひとつだ。

 そんな中で、肥料の販売から始め、農業関連製品を扱う大企業を育てたのが、マーラーミャイン・グループ創業者のレレウー氏だ。ジェイサットコンサルティングの西垣充チーフコンサルタントが、ミャンマーの農業ビジネスの将来を聞いた。

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マーラーミャイン・グループのレレウー氏

マーラーミャイン・グループ創業者。1989年に農家向けの肥料や殺虫剤を扱う店舗を立ち上げた。現在、同グループは肥料などの製造、輸入、販売を手掛ける。マンゴーなど国内や海外での販売も行う。投資事業も行っている。

西垣: 農業の振興は、ミャンマーの大きな課題となっていますね。マーラーミャインは肥料の取り扱いで業界2位と聞いています。成功の秘訣は何だったのでしょうか。

レレウー氏:

まず、肥料などを取り扱う小さな店を1989年に開きました。たった2人でお店を開いたのです。そのころは、肥料を扱う専門店はほとんどなかったころです。中でも、噴霧式の肥料はまだミャンマーにはなく、タイから非公式に輸入して販売しました。当時は「肥料は土にまくものだ」と思われていたので、葉っぱなどに噴霧するタイプの肥料の使い方を知る人はいませんでした。しかし、使いはじめると、農家はその効果を実感しました。まだメディアが発達していない頃でしたが、口コミでどんどん広がっていったのです。

事業が広がっていったのは、2000年ごろです。その頃から多くの製品が輸入できるようになりました。2001年にはヤンゴンに大規模な販売センターを作りました。また、2012年には農業ビジネスを学ぶために留学していた次男が帰国したため、マーラーミャインは彼に任せて、私は主に果物を輸出する事業を担当しています。

西垣:

なるほど、家族で経営をしているのですね。

レレウー氏:

私は農業ビジネスを手がけていますが、元々は農業の経験はなく、農業について勉強したわけでもありません。その代り、子どもたちに教育を受けさせています。28歳の長男はシンガポールで学び、現在は害虫駆除最大手の会社を経営しています。26歳の次男はシンガポールとオーストラリアで学びました。24歳の長女はオーストラリアで農業を学んでおり、帰国したら会社を任せたいと思っています。なお、夫はタナカの化粧品を手がけています。

西垣:

事業を拡大するまでには、ご苦労されたこともあったと思います。

レレウー氏:

そうですね。製品が売れ始めると、偽物をつかまされるケースが出てきました。それでも、私たちは責任を負わなくてはいけません。また、以前は、マーラミャインブランドを掲げた契約販売店が多かったのですが、現在はヤンゴンやマンダレー、バゴーの直営店5店舗だけに絞ることにしました。品質を守るためです。

西垣:

私は人材ビジネスを手がけているのですが、人材の管理は大変ですね。御社の人材に対する考え方を教えてください。

レレウー氏:
 

現在、従業員は約200人います。長く働いている従業員が多いですね。当初は雇用する際には親戚や知人の紹介で雇い、生活の面倒も全部見るような形態でした。次男が帰国してから組織改革を行い、会社のルールを徹底し、役割分担を明確化しました。

研修にも力を入れています。社内に研修ルームを作り、国内外の講師が教えています。管理職層向けにも研修を行っています。

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西垣:

ミャンマーの農村は数多くの課題を抱えていますね。近年は工業化が進んだことで、農業従事者が減り、耕作放棄地も出てきているようです。農業の生産性を上げる必要があります。その意味では、肥料など御社の製品の需要は高いのではないですか。


レレウー氏:
 

農業人口が減っているのは、貧しくて生活ができないからです。他国に出稼ぎに行ってしまうのです。だから機械化が必要になります。肥料は、以前は使い方がわからずあまり使われていませんでしたが、いまは定着しているので、今後も安定的に販売できると思います。

西垣:

今後はどのようなビジネス展開を考えていますか。

レレウー氏:

農家に農薬や肥料を販売するだけでなく、収穫物を販売できるようなマーケット開拓に取り組んでいます。「ミャンマーゴールデンプロデュース」という会社を作り、果物を海外に販売する事業を行っています。韓国や日本の展示会でドライフルーツについて出展しました。ネピドーで果物の乾燥工場を建設するプロジェクトもあります。ネピドーはミャンマーの中心にあり、様々な産品が集まります。

 

日本のマーケットや技術を持つ会社があれば、協力したいと思います。こちらのマンゴーは、ドライフルーツにしてもおいしいのです。いろんな企業から問合せをいただいていますが、投資資金が重要なのではなく、技術があるか、販路があるかが重要です。

弊社では契約栽培も行っています。果物農家への技術指導もしていますが、まだ輸出競争力のあるレベルには至っていません。

ミャンマーの農村では、貧しいことや、天候不順などの問題もありますが、農家自身が何の作物を植えていいのか知らないという問題もあるのです。知識がないために、高く売れない作物を作っている農家もいます。農家にきちんとしたマーケットを作ってあげることが重要なのです。

日本語ガイド手配について

レレウー氏


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