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  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
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ミャンマーリポート

Myanmar Report
一万年前の洞窟絵画

by ウー・ミンナイン


    古生代地層からなるシャン州には石灰岩が多く、鍾乳洞もいくつか存在します。その中でもシャン州南部に位置する“Bya Da Lin”と呼ばれる洞窟には約1万年前に描かれたといわれる洞穴絵画が残されています。この洞窟絵画は同じく約1万年前に描かれたと言われているフランス南部にあるラスコーのものやスペイン北部にあるアルタミラのものと同じタイプのものと推測されています。

    この洞窟絵画は1937-8年頃、農民が発見したと言われています。その後第二次世界大戦などで混乱が続き空白の期間がありましたが、1969年からミャンマー政府や地質学者、人類学者、考古学者が集まり本格的な調査が始まりました。

    この場所には大小二つの洞窟があり、大きな洞窟は、入口は約50フィート、奥行きは約800フィートで中は9つの部屋に分かれており鍾乳洞になっています。ただこちらには洞窟絵画の跡は残されていません。

この大きな洞窟から600フィート離れたところに小さな洞窟があり、入口は約80フィート、奥行き約40フォートの大きさで、二つの部屋に分かれています。洞窟絵画は高さ12フィートのところに書かれており、壁の表面はスムースではありません。

    絵画は魚や象、牛、豚などのような動物の絵や人の手や太陽などの刻線画で、洞窟の付近で取れる赤土、黄土、動物の脂肪や血などで描かれたと推測されています。

    この洞窟絵画の中でも特に世界中で注目されているのは、太陽の絵です。太陽は普通○で表現されているのですが、この洞窟に描かれているものは炎も表現されています。

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洞窟内には石器や亀の甲羅、貝、果物の種、スス、人骨などが発見されており、この当時の人々は洞窟内に住み、狩猟生活を送っていたと推測されています。

これら絵画は狩猟の成功などを願う呪術的行為から生まれたものと言われており、当時、この洞窟は象徴的・祭祀行為に利用されていたと推測されます。

    現在この場所までの道は整備されてなく、また外国人の立ち入りには許可が必要なのでほとんど観光客は訪れていませんが、現在ミャンマー政府は道路の整備を行い、洞窟近くにホテルを建設する予定にしています。

    今後、新たなミャンマーの観光名所になると期待されています。

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写筆(牛)

photo3.jpg 写筆(手)

2000/7/29