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  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
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ミャンマーを知る読みもの

めおとで Go! Myanmar --列車編--


Essay by Ebi

えび のエッセイ
2 めおとで Go! Myanmar --列車編-- 2000/3/15
1 めおとで Go! Myanmar --ヤンゴン編-- 2000/3/15

めおとで Go! Myanmar --列車編--

by えび


ヤンゴン→マンダレーの列車'99 12/26 - 12/27

定刻から少し遅れてヤンゴンを出発したマンダレー行きの列車。おお、快調快調。座席も広くてゆったりしてるし、やっぱり列車よね。あーよかった、バスに乗らなくて。
ほんとほんと。・・・ほんと?

写真1/夕暮れのヤンゴン中央駅。
走り出してしばらくは観察に忙しい。
えび  「なんかU字まくらをたくさん持った人がおる。ホラ旅グッズでよく売ってあるようなのの手作り版」
夫   「はあー、アレ貸し枕だよ。考えたねー。1晩25Kって」貸し本なんてのもまわってきて、他のアジアの列車とは一味違うおもしろさ。車両の前と後ろにはそれぞれ仏陀のポスターがばーんと貼りつけてある。さすが仏教国と思いきや、その仏陀の顔、かなーり色っぽい。ヒンズーのシヴァの影響を受けているのか、この後見た仏陀にも色っぽくてなよなよしたのがけっこうありました。

しかし、だんだんこの列車、実力を発揮し始めた。とにかく揺れる。すごく揺れる。これ列車だよね、っていうくらい揺れる。フツーの列車の揺れを凪のラグーンを行くバンカーボートに例えるならば、この列車のは海峡を爆走して超えて行くモーターボート(わかりにくい例えですまん)。まさか、列車の椅子の上で飛び跳ねることができようとは。
夫   「ちょっとまじー?こげん揺れて脱線せんとー?」
えび  「うおっ」

非常識に揺れるヘビメタ列車にハイテンションになった夫とえびは、座席で飛び跳ねるたびに爆笑し続ける。どすんどすん。わはは。

写真2/どこの駅にもいる水売り。素焼きのカメがいい感じ。

夜も深まってもうひとつ切実な問題が発生する。寒い。 この年のミャンマーは特別寒かったらしく、朝晩の冷え込みはまるで日本の冬のよう。日本を出るときの服装(セーター+ジャンバー)でも全然役に立たない。

なんとか荷物の中から防寒の役に立ちそうなものを見つけようとするが、そんなもん持ってきてないもん。あるわけない。前の座席の一家なんてかけ布団持ちこんでるじゃないのさ!教えてくれようー! なんとか工夫した最終装備は首にタオル巻き、ひざ掛けとしてTシャツ。夫婦でなかなか惨めな姿。貸し枕や貸し本なんていいから貸し布団ちょうだい!!今なら10ドルでも借りるよー!

さらに私たちに追い討ちをかけたのは。お金がない。
初日にケチってちょっとしか両替しなかったツケがこんな時にまわってこようとは。お腹すいたよー。でも物売りから食べ物を買うことができない。

u-law04.jpg 夫   「いつも思うけどさ、どーしてお前は先に備えるってことを知らんわけ?」
えび  「それがアンタの嫁たい!」
まわりのミャンマー人が分けてくれるお弁当やお菓子でかろうじて食いつなぐ私達。
写真3/車窓からの風景はひたすらこんなの。

そんなふんだりけったりの列車の旅で一晩おもしろく過ごしたえび夫妻であった。朝になり、そろそろ到着予定時間も近い。
夫   「そろそろ着くっちゃない?今どこか調べてみーよ」
どれどれ。ちょっと地図を見てみる。
えび  「・・・うーん。見らんほうがいいかもよ・・」


なーんとまだ半分ちょいしか来ていないのであった。ひえー。一体いつ着くのだろう。だって途中何回も止まったもんね。夜が明けて寒さはやわらいだものの、相変わらずの揺れと空腹。

えび  「前の席のおじちゃんがおいそうなもん食べてる・・」
と思ったらくるっと振り向いて差し出してくれる。ひえーん、テレパシーが通じたかしら。
写真4/列車が止まるたびのんびりと待つ。発車は突然なので要注意。
まあいろいろと修行のような列車ではあったが、それでも乗って大正解。赤土の大地をのんびり牛車が行き、ヒマワリ畑が広がる中にときおりポコッとパゴダがある、そんな車窓からの風景は眺めていて飽きることがない。

それに乗っただけでこんなにハイテンションになれる列車って、絶対日本にはないよね。たとえ14時間の道のりをたっぷり24時間もかけてくれたって。マンダレーに着いたのは日も暮れ始める夕方6時すぎ。爆笑のマンダレー行き列車なのであった。

写真5/子供より子供みたいだったおじちゃん。好奇心いっぱいで私達に接して、お弁当やお菓子をいろいろ分けてくれた。

©えび

編集者より:このページはえびさんのWEBページ、妻は旅行がお好きからの転載です。このページへ行けば、めおとで Go! Myanmarの続編も読めますよ。