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  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
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Myanmar Report
パレワ訪問記 (その1 シットウェー)

by アウンルイン


    今回、チン州のパレワに行くことになった。パレワはチン州の最も南部に位置する。パレワに行くには、まず、ラカイン州のシットウェイから入るのが普通だ。私はパレイワに行くのは初めてだし、シットウェイに行くのも初めてだ。エアチケットを買おうと、出発の前日にUBのオフィスに行くと(UBのチケットは前日にならないと発売しない)、今日は発売できないので明日来いと言われてしまった。VIPが乗るので今日はチケットの発売ができないというのだ。ということで、出発の当日になってやっとチケットを購入することができた。飛行機に乗る前からドタバタしたシットウェイ行きであったが、飛行機は予定通り朝6時に離陸した。機内は満席で、ほとんどミャンマー人のようだ。外国人は一人も見当たらない。飛行も順調で、時間通りシットウェイの空港に7時ごろ到着した。シットウェイはラカイン州の中心地。ラカイン州は以前アラカン州と言われていたところである。

    初めてのシットウェイ。ヤンゴンとは違い、新鮮な緑と空気が私を迎えてくれた。現地のラカイン族の言葉は、普段聞いているヤンゴンの人たちの言葉と比べると、何となく可愛いらしく聞こえた。最初のうち、聞きなれない発音なのであまり聞き取れなかったが、半日もすると耳も慣れてきて支障なく理解できるようになった。また、ラカインの人たちは都会の人間とは違い、素直で偏見のない人達のように感じた。というのが、シットウェイでの第一印象だった。

    空港を出た私は、まずタクシーをつかまえて町の中心地へ向かった。10分ほどで中心地へ着き、いくつかのホテルやゲストハウスを見る。その中のひとつ、Shwe Thazinホテルに泊まることにした。部屋が綺麗で手ごろなホテルだ。24時間電気が使え、電話やファックスも使用できた。ミャンマー人は1泊4000チャットだが、外国人は25ドルである。ホテルスタッフはほとんどラカイン族で温かく迎えてくれた。彼らの仕事振りもビジネスライクではなく、親切に色々手伝ってくれた。

    ホテルでひと休みした後、町へ出た。もう10時、町は賑やかに動いていた。まず、車をチャーターしてシットウェイ港に向かう。港の隣は市場である。このあたりはシットウェイでも最も賑やかな地域だろう。港では、いくつかの貨物船が荷揚げ作業をしている。その船腹には、ミャンマーで最も大きな船会社 Myanma Five Star の名も見える。また、シットウェイからButitaung、Mauntaw、Ahmm、Minpya、Taungkyote、MraukU、Pauktawなどを訪れる定期船も停泊していた。大きな船だけではない。近くの漁村から魚を売りに来た小舟もひしめきあっていた。といった具合に、ラカインの中心地であるシットウェイは活気あふれる港町であった。

photo01.jpg シットウェイの港

    港や市場でうろうろしていたらもう12時、腹ごしらえの時間だ。せっかくラカインに来たのだから、やはりラカイン料理である。運転手の紹介でラカイン料理の店に向かった。ラカイン料理は辛いので有名であるが、案の定、この店の料理も辛かった。メニューにあったのは鶏肉、豚、魚、牛肉のカレー類。ビルマ族のものと似ているが、油をほとんど使わない。また、どんな料理にも唐辛子が入っている。私が気に入ったのは、Ngapitaung と呼ばれる魚の塩漬けに唐辛子入れてたものと、ローゼリ草(アオイ科の一年草で酸味があり)のスープだった。

    満腹になったら少し動いたほうがいい。シットウェイでのお決まりの観光コース、Lawkanandaパゴダ、Kandawgyi湖、Thaloneパゴダなどを見学した。こうしたお決まりのコースだけでは面白くない。ということで、Kaladan川の中にあるPa Yone Kar島のテーゴン村を訪れた。ボートで45分ほどだ。

photo01.jpg シットウェイの漁村

ここ2年ぐらいから、シットウェイではクラゲの水揚げが非常に増えた。そのクラゲが集まってくるのがテーゴン村付近である。ここに中国商人がクラゲを買付けに来る。なぜ最近になってクラゲ漁が盛んになったかというと、シットウェイには橋が完成したからだ。また、マンダレーから中国国境への道はミャンマーで最も整備された道路だ。ということで、シットウェイから中国の雲南省まで陸路で運ぶことができる。広州などの東側沿岸から海産物を運ぶよりもシットウェイから運んだほうが効率的である。こうした経済のダイナミックな動きの中にこの小さなテーゴン村も加わっていたのだ。

photo08.jpg クラゲ漁の漁船

この Pa Yone Kar島には村が全部で27ある。大きなクラゲは3-5月、小さいクラゲは5-9月によく捕れる。漁は夜から早朝にかけて網を使って行う。テーゴン村にはクラゲの販売店が50ほどあり、中国人商人が多く買い付けに来ている。クラゲは1匹60-100チャットで売買さる。1トン150万チャットほどの取引だ。出荷先は中国と日本がほとんどだという。また、ここではサメ漁もやっている。5-7月に最も捕れる。大きな釣針に魚を餌にしてサメを捕る。今は魚の代わりにイルカを餌に使ったりもしている。何でもサメはイルカが大好きだそうで、最近イルカを使うことが多い。サメは1匹10-50万チャットほどで取引されている。

photo06.jpg 保管庫の中のクラゲ

2002/11/03