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  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
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文化

「もらう」文化


Essay by Koto ことのエッセイ

  7     ヤンゴンの夏 2000/6/2
  6     「もらう」文化 2000/4/12
  5     ヤンゴンの異性感情について 2000/4/11
  4     ヤンゴンの道路交通をドライバーの目で見て 2000/4/10
  3     ヤンゴン・生活点描 2000/4/8
  2     ヤンゴン・ビジネス点描 2000/4/8
  1     仕事場から見たヤンゴン 2000/4/8

「もらう」文化

by こと


ヤンゴンで3年ほど、日本語を習っている人たちとつきあってきたのだが、気がついた面白いことがある。「運命」とか「幸運」とかは、「授かる」(さずかる)ものだという意識が強いのである。

一所懸命勉強して試験で合格を「勝ち取る」場合、ミャンマーでは合格を「もらう」と言う。試合で競争して一位を「勝ち取った」場合も、ミャンマーでは一位を「もらった」と言う。ライバルと競争して女の子の気持ちを勝ち取って「愛を得た」場合もミャンマーでは「愛をもらった」。要するに、何でも「受け身」、「受動態」が多いということ。ここ数十年の社会の体制のせいかとも思うが、それ以前のミャンマー人気質のように僕には思えてなならない。

「もらう」の「ちがうやり方」という意味での反対語は「勝ち取る」「奪い取る」だが、動作上の反対語は「あげる」である。で、ミャンマー人はこの「あげる」という行為はやたら好きなように見える。テレビのニュース番組でも、セレモニーと言えば、やたら贈呈式のシーンが多いのに気付くだろう。記念写真のポーズで好まれるのも、ものを贈呈するポーズである。

7,8,9月の雨安居(うあんご)という仏教上の節制の期間を過ぎると、各地でお祭りが行われ、「先生」「上司」に対して、日本の「中元」「お歳暮」に似た贈り物が贈られる。この贈り物も、日本では受けた恩を金額的に換算して「その借りを多少とも返そう」という趣旨があるが、ミャンマーではそういう趣旨はなく、贈ること自体に喜びを見いだしているように見える。

(C) こと