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  • 7年前、単身ミャンマーへ渡り、以来現地に身を置き激動の時代を生き抜く。企業・政府・マスコミ等との長年に渡るビジネスを通して培ったスキルや現地・日本の人脈をフルに活かした調査・進出コンサルティングは在ミャンマー日本人の中でも随一である。 Since 2001/1/1
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ミャンマーを知る

生活

Essay by Koto


ことのエッセイ

  7     ヤンゴンの夏 2000/6/2
  6     「もらう」文化 2000/4/12
  5     ヤンゴンの異性感情について 2000/4/11
  4     ヤンゴンの道路交通をドライバーの目で見て 2000/4/10
  3     ヤンゴン・生活点描 2000/4/8
  2     ヤンゴン・ビジネス点描 2000/4/8
  1     仕事場から見たヤンゴン 2000/4/8


ヤンゴンの道路交通をドライバーの目で見て

by こと



 僕は日本ではよりよいドライバになるよう努めているつもりだが、ミャンマーの運転を見ていると気になる点がいくつかある。

まず、ミャンマーのタクシーの運転手は加速するとき以外はすぐギアをニュートラルに入れてしまう。したがって、カーブはったいていニュートラルで走る。「おいおい、ギアを入れておくっていうのは、エンジンギアを効かせるってことなんだぜ。ニュートラルで走っているときに急に移動が必要になったらどうするんだー 車のコントロールが効かないぞ」と思ってしまう。「日本で運転免許の試験を受けたら失格だぜ」と。「英語のよく分かる運転手に会ったら説明してやろうと思っているのだが、その機会がない。

日本では歩行者最優先。アメリカでも人が優先。シンガポールでも同じ。歩行者用信号機が青なら歩行者優先だが、たとえ歩行者用信号機が赤でも歩行者が渡っていれば、車は止まる。しかし、ミャンマーでは歩行者信号機が青でも車が優先。歩行者用信号機が青でも歩行者は横断歩道を渡れない。赤だったらもちろん車が優先。要するに信号が青だろうが赤だろうがいつだって車が優先。交通警官の目の前でもこれは同じ。警官の前で歩行者用信号が青でも車がつっこんでくるときは、「おいおい、この車捕まえんかい」と思ってしまうのだが。

ヤンゴンでは、交通の激しい町中の交差点では、左折の車(日本で言う右折の車)がつっこんでくるから歩行者用信号機が青でも歩行者は横断歩道を渡れない。したがって、ミャンマーでは歩行者は青の時は渡らないで、赤の時に渡る。また、青で渡れないのなら横断歩道を渡る意味はないので、歩行者は横断歩道をはずれたところを車の間を縫って渡る。「どこへでも社有車で行き、歩くチャンスがない在留日本人」などは、「ミャンマーは何でこんなに横断歩道でないところを渡る人間多いんだ?」と思うだろうが、これが真相である。

後、気にさわるのは警笛。上記のように青で渡ろうとする歩行者を車が蹴散らす時は、ミャンマーでは車が警笛を鳴らす。日本では車が静かに停まる。通りを通るのに飛行者が多く注意を促すときも、ミャンマーでは警笛。日本では無音で車がスピードを下げるか停まるところ。日本では無用な警笛が禁じられているわけだが、その精神はミャンマーでは理解されない。

ヤンゴンでは、交通の激しい四差路の手前に幹線道路に出る小道があると、幹線道路が流れているときは小道から車は出れない。特にレイダン交差点など。赤信号で幹線道路が止まるときは、止まる車が数珠繋ぎになって小道の幹線道路への出口をふさいでしまう。したがって、小道から幹線道路へ出ようとする車はいつまで立っても出れない。日本なら、幹線道路の車が赤信号で止まるときは小道の前は空けて止まると思うのだが。日本の道路交通法でも、交差点をふさぐ形で停車してはいけないことになっているはず。

ミャンマー人と一緒に車に乗っているときに、「小道は空けてやれよ」と言ってみたことがある。「後ろから警笛をならされて急かされるから、それはできない」と言われてしまった。ミャンマーでは「客」とか「外国人」とかにはやけに優しい。親切だ。しかし、同胞にはえらい「キツイ」感じがする。

(C) こと